国際労働機関(ILO)や英国内務省の「現代奴隷制度」の撲滅PR映像などの世界的犯罪の定義に逆行する日本の政府自民党
現代奴隷は先進国・アジア太平洋地域に多くいる
国際労働機関(International Labor Organization)は、「50 for Freedom」というキャンペーンサイトにおいて現代奴隷制度の廃止を呼びかけています。当サイトは「迷信」と「事実」という表現で、つぎのようなことを紹介しています。
奴隷制度は過去のこと、強制労働は発展途上国だけ、主要な強制労働は性的人身売買、強制労働は儲からないなどを「迷信」だと言っています。そして、「事実」として、強制労働の儲けは世界上位4社の年間収益の合計1500億米ドルに匹敵する。これらの収益は「アジア太平洋地域」と「EUを含めた先進国」に集中するそうです。
奴隷制度は過去のことではなく現代に存在する。だから「現代奴隷制度」なのです。
日本の政府自民党は「欺瞞・脅迫・暴力」などによる業務委託を合法化し、世界的犯罪の定義と逆行する
現代奴隷制度をケンブリッジ辞書から要約すると「脅迫や暴力によって、少額またはタダで働くことを強いられ、仕事や職場を選べない状態」とあります。英国と豪州では「現代奴隷法」が制定され、厳しく取り締まりが行われています。
たとえば、英国の現代奴隷法では「暴力・脅迫・欺瞞によるサービス等の確保」は犯罪であり、禁固刑や罰金、または両方が課せられます。
英国内務省所管の「National Crime Agency(国家犯罪対策庁)」は、犯罪撲滅のPR映像で「身近にあるサイン」を紹介し、現代奴隷の情報提供を求めています。
国家犯罪対策庁(NCA)は、現代奴隷制度のサインとして「自由行動の制限」や「生活環境」、「所持品の少なさ」などをあげています。とくに「生活環境」のサインでは、強制的に「職場と同じ場所で生活」させられていることが多いようです。実際、スーパーホテル業務委託の支配人・副支配人であった我々も、ホテル宿直室に住み込まされて365日24時間無休で働かされていました。下の映像は、我々が住み込まされた実際のものです。
日本版現代奴隷制度の典型、「外国人技能実習制度」
国会での議論や日本国民の合意形成なく、政府自民党の閣議決定で創設され、現在も名称と内容を変化させつつ、閣議決定で存続しています。最大の問題は、2010年以降、入管法が改正され実習や研修する外国人に対して労働関係法規が適用されたにもかかわらず、労働環境や待遇などで不当な扱いを受けるケースが後を絶たないことです。
現代奴隷制の合法化で、労働問題は厚労大臣ではなく法務大臣が「対応を指示」することに変わっている
本当にひどい実態を録画したり、メディアが調査報道することで、十数年続いて来た問題にやっと光が当たります。しかし、政府自民党が労働問題に不思議な対応を行っていることに気づかされます。それは、外国人技能実習制度には労働関係法規が適用されるにもかかわらず、労働問題に厚労大臣がコメントせず、法務大臣が「対応を指示する」ことを記者会見したのです。要するに政府自民党では、外国人技能実習制度の名称や内容が変更されたとしても、合法化した現代奴隷制度なので労働問題には当たらないと考えているからです。だから、厚労大臣は「対応を指示」しないのです。