正社員に業務委託を強要すれば、企業は労働法のすべての費用から解放される。しかも労基署や裁判所では救済されません。それは政府自民党が「日本版現代奴隷制度」を合法化するためでした。スーパーホテル業務委託契約はその一例なのです。
雇用の労働実態を「業務委託契約」すると個人支配できる
「名ばかり個人事業主」とは、スーパーホテル業務委託契約などの「労働基準法が適用されるべき労働」を事業契約化したものです。日本国憲法第27条2項の定めによって、労働基準法は制定されました。その憲法が保障する個人の基本的人権などを「労働」として、切り売りさせられる契約です。
たとえば、憲法第18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」とあります。しかし、一日14時間以上の長時間労働を指定場所で行う業務委託契約が、個人事業主であれば結べます。業務受託者が働けなくなると債務不履行で、発注者は賠償請求ができます。この損害賠償を恐れて、奴隷的拘束に応じる状況に業務受託者は置かれてしまいます。実際、スーパーホテルによって業務委託の支配人・副支配人であった我々は、このひどい激務を実体験しました。
また、個人事業主の遺族が発注先などを相手取り裁判する場合は、結局、労働基準法上の「労働者性」を争うことになります。佐川急便の過労死した事件、テラスハウスの木村花さんの事件、アイドルの大本萌景さんの事件が、これに当たると思います。こうしたことからも「個人の諸権利」の切り売り契約だと言えます。また同じようなケースが宝塚歌劇団でも起きています。
使用者(発注者)によって「名ばかり個人事業主」に仕立てられると、役務提供という契約の名目で「個人の奴隷化」が事実上行えるのです。この実例こそ「スーパーホテル業務委託契約」です。業務委託の支配人・副支配人であった我々は、実際に防犯モニターや防災受信盤などがある「スーパーホテルJR上野入谷口の宿直室」に住み込まされ、365日24時間無休の激務で働かされました。
日本では事実上「欺瞞による強制労働」は罪に問われない
最悪なのは「欺瞞(だます行為)による強制労働」であっても、被害者(労働者)に立証責任があり、昭和60年報告によって「労働者」だと行政機関や裁判所を認めさせないと「犯罪」が成立しません。被害者(労働者)は裁判に訴えるしかなく、長期の審理、資金問題、勝率の低さから多くが泣き寝入りを選びます。
我々もスーパーホテル事件の裁判が2年経過して、スーパーホテルより勝訴する判決までの長さや書面作成などの労力に苦慮しています。驚くことに日本では、詐欺でだまして「強制移住」と「強制労働」させる企業を止める方法がありません。
スーパードリームプロジェクトと銘打ったベンチャー支配人制度の求人募集は、まさに「求人詐欺」です。
「スーパーホテル 支配人・副支配人募集説明会予約サイト」「株式会社ビズブリッジ 起業・独立の夢を実現する「Super Dream Project」」「マイナビ転職 スーパーホテル大切な人と2人で未来を見つけよう!【ホテル支配人・副支配人】 」の3つを比較しても、契約年数や業務内容がバラバラで「すべてが嘘」だとわかります。
さらに「Super Dream Project BLOG『ふたりごと』」という業務委託の支配人・副支配人に応募する人向けの「フェイクニュースサイト」まであります。我々の告発で「現役支配人談 スーパーホテルの支配人は【妊娠】したら契約解雇なのか?」という「スーパーホテルブログ」を新たに開設して、「さらなる嘘」を発信しています。
このようなフェイクニュースによる「嘘」を我々は信じ込まされ、スーパーホテルから全国転勤を理由に自宅を処分させられました。そして、日給制の90日間研修に参加させられました。その終わり頃、スーパーホテルは我々をホームレス化させた上に研修報酬の不払いで脅し、スーパーホテル業務委託契約書という「名ばかり事業主の奴隷契約」に署名捺印させました。
この無休労働の557日目に「過労死寸前」の中、スーパーホテル代表取締役副会長山本晃嘉(当時:副社長)の指示により、奥森賢治部長(現モリズ コンサルタント株式会社代表)、芝原邦佳次長、内田辰也課長、大木育直営店総支配人が「暴行・監禁・脅迫・居住権侵害」などを集団で行いました。刑事告訴が唯一できる警察は、我々の訴えを無視して芝原邦佳次長のみを立件します。結果は不起訴となって、これこそが「潔白の証」だと裁判で主張しています。
昭和60年報告の全項目を満たす副支配人を労基署は「労働者と判断できなかった」と言っていた
スーパーホテルは、つぎの2つを強要しました。1つ目は我々連名の「二個一契約の業務委託契約書」に署名捺印すること。2つ目は「開業2名原則」でした。開業1名の場合は、必ずもう1人を雇用するよう命じています。
この「労働実態の捏造」をもとに、労基署は「副支配人を労基法上の労働者と判断できなかった」と言うのでした。
副支配人の働き方は日給をもらい90日間も研修した「業務の反復」で、①②④のとおりです。3つのホテルに派遣され、最終的にJR上野入谷口の宿直室に住み込まされて24時間対応を余儀なくされた③のとおりです。さらに⑤の報酬は、スーパーホテルがS氏の銀行口座に2人分を送金しており、副支配人は受け取っていません。最後の⑥は2名開業の指示がありましたが、S氏だけが開業し副支配人の研修報酬を合わせて売上としました。
じつは、S氏顧問の税理士と社労士が「開業者(元支配人S氏)と副支配人がスーパーホテルの住所で雇用契約を結んだら、S氏が副支配人を強制労働することになる」と指摘され、アドバイスに従って前記の状態となったのです。
つまり、昭和60年報告の「基準を満たす労働実態」を維持しました。
しかし、S氏はスーパーホテルより脅迫されて「開業」、さらに「アルバイト雇用」させられます。結果、二個一契約なのに昭和60年報告の「基準を満たす労働実態」と「基準を満たさない労働実態」の2つが存在することになりました。しかも、我々はスーパーホテル提訴後に「約3700万円」の反訴を受けます。副支配人は、契約書に署名捺印しただけで365日24時間無休の強制労働させられた被害者となりました。
こうした「昭和60年報告」を悪用する「名ばかり個人事業主」に仕立てる企業は、年々増加傾向にあります。NHKのWEB特集は「正社員の業務委託化」の問題について、詳しく報道しています。